アスベスト調査

解体、改修、リフォームは、壊す前に調べる時代です。石綿(アスベスト)は、過去に多くの建材へ使用されてきました。現在は石綿を含む製品の輸入、製造、使用等は禁止されていますが、既存の建物や工作物には、今も石綿含有建材が残っている可能性があります。

 

本山建設では、建築物石綿含有建材調査者、令和5年9月30日以前から一般社団法人日本アスベスト調査診断協会(NADA)に登録され、調査時点においても登録されているアスベスト診断士、石綿作業主任者が連携し、解体・改修前の石綿事前調査、調査結果報告書の作成、工事内容に応じた対応方法の助言を行っています。

 

石綿作業主任者は、事前調査者の代替資格ではありません。石綿を含む建材の除去、封じ込め、囲い込み等の作業を行う際に、作業方法の決定、労働者への指揮、保護具の使用状況の監視等を担う資格者です。本山建設では、調査資格者と作業管理資格者を分けて理解し、調査から工事対応まで制度上の抜けを作らない体制で対応します。

アスベスト(石綿)とは?

石綿(アスベスト)は、天然の繊維状鉱物です。耐熱性、耐久性、耐薬品性、電気絶縁性などに優れ、過去には建築材料、設備材料、工業製品などに広く使われてきました。一方で、石綿の繊維を吸い込むことにより、肺線維症(じん肺)、中皮腫、肺がんなどの健康障害につながることが知られています。

 

石綿の問題は、建物の中に存在することだけで決まるものではありません。問題になるのは、劣化、切断、破砕、研磨、撤去などにより、石綿繊維が飛散し、人が吸い込むおそれが生じる場面です。そのため、不安だからすぐに壊す、不明なまま工事を始める、見た目だけで判断する、という対応は危険です。まず、対象となる部分にどの建材が使われているかを確認し、石綿含有の有無を調べる必要があります。

解体・改修前の事前調査は、すべての対象材料から始まります

建築物の解体、改修、リフォームなどを行う場合、施工業者(元請事業者)は、工事対象となる部分のすべての材料について、石綿含有の有無を事前に調査する必要があります。これは、大規模な解体工事だけの話ではありません。小規模なリフォーム、設備更新、内装改修、屋根・外壁の改修であっても、対象箇所に建材が存在する以上、調査の考え方は同じです。

 

一定規模以上の工事では、石綿の有無にかかわらず、事前調査結果を石綿事前調査結果報告システムにより報告する必要があります。建築物の解体工事は工事対象部分の床面積の合計が80平方メートル以上、建築物の改修工事は請負金額が100万円以上、特定の工作物の解体・改修工事は請負金額が100万円以上の場合が主な対象です。

 

令和5年10月1日以降に着工する建築物の解体・改修工事では、建築物石綿含有建材調査者等の有資格者による事前調査が必要です。また、令和8年1月1日以降に着工する工作物の解体・改修工事では、工作物石綿事前調査者等の資格者による事前調査が必要になります。制度は、単に「アスベストがあるか」を見る段階から、「誰が、どの範囲を、どの根拠で判断したか」を問う段階へ移っています。

 

我が家は大丈夫か。まず確認すべきこと

一般的な木造住宅では、吹付け石綿が使われている例は多くありません。しかし、屋根材、外壁材、軒天材、内装材、床材、接着剤、下地材、仕上塗材などに、石綿を含む成形板や関連材料が使われている可能性はあります。築年数だけで安全とは判断できず、新しい建物であっても、解体・改修工事を行う場合には、法令に基づく事前調査の要否を確認する必要があります。

 

石綿含有成形板等は、通常の使用状態では石綿繊維が飛散しにくいものもあります。そのため、日常生活の中で直ちに危険と決めつけ、慌てて除去する必要があるとは限りません。反対に、含有の可能性がある建材を、調査しないまま切る、割る、削る、剥がすことは避けなければなりません。安全な判断は、建材の種類、施工された場所、劣化状況、工事方法を確認して初めて可能になります。

 

劣化が著しい場合、破損している場合、今後解体・改修を予定している場合は、早めの調査をお勧めします。調査により、除去が必要なのか、封じ込め・囲い込みでよいのか、工事方法を変えるべきか、発注者としてどの手続きに注意すべきかを整理できます。

本山建設の事前調査

本山建設の事前調査は、疑わしい建材だけを拾う調査ではありません。工事対象範囲にある部屋、部位、建材を整理し、書面調査、現地での目視調査、必要に応じた裏面表示等の確認、判断基準資料の作成、同一建材範囲の整理、分析調査またはみなし含有判断を組み合わせ、説明責任の残る報告書としてまとめます。

 

石綿含有建材データベース等の公表情報は、調査における有効な参考資料です。しかし、データベースだけで現場の建材すべてを判断できるわけではありません。実際の建物では、改修履歴、メーカー違い、ロット違い、同じように見える別建材、裏面表示の欠落、図面と現地の不整合が起こります。本山建設では、資料情報と現地情報を照合し、判断根拠を残すことを重視します。

 

代表取締役・本山幸嘉は、NADA代表理事として、石綿事前調査の実務、教育、制度運用に長年携わってきました。本山建設では、NADAが提唱するSRDM手法の考え方を踏まえ、動線、部屋、部位、建材、判断根拠を整理し、調査の抜けを減らす事前調査を実施します。

 

調査から報告までの流れ

最初に、工事の内容、対象範囲、建物の用途、築年数、図面の有無、改修履歴を確認します。次に、設計図書、仕様書、仕上表、施工図、過去の改修資料、建材情報を確認し、現地調査で部屋、部位、建材の状態を照合します。石綿含有の有無が資料と目視だけで判断できない場合は、必要に応じて試料採取と分析を行います。分析を行わず、石綿含有ありとみなして法令に基づく措置を講じる場合もあります。

 

調査後は、調査範囲、確認した建材、判断根拠、分析結果またはみなし含有の判断、工事時に必要となる措置を整理し、報告書を作成します。報告書は、発注者、元請事業者、現場管理者、行政対応のそれぞれで確認できるよう、後から説明できる形で残すことが大切です。

ご相談のタイミング

解体や改修の見積を取る前、または工事内容を確定する前にご相談ください。調査が後回しになると、工期の見直し、追加費用、行政報告、作業基準の変更が後から発生し、工事全体が止まることがあります。建物を安全に使い続けるためにも、工事を安全に進めるためにも、石綿事前調査は最初に行うべき確認です。

 

本山建設は、建物所有者、発注者、工務店、リフォーム会社、解体業者の皆様に対し、石綿使用の有無の確認、解体・改修前の事前調査、調査後の対応方針の整理をお手伝いします。見た目だけで判断せず、壊す前に、まず調査からご相談ください。

参考情報

  • 厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト
    https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/
  • 厚生労働省 石綿とは
    https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/about/
  • 厚生労働省 小規模工事等の着工前に必要な手続きについて
    https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/procedures/
  • 厚生労働省 建築物石綿含有建材調査者講習
    https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/investigator/
  • 厚生労働省 工作物石綿事前調査者
    https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/investigator-structures/
  • 環境省 大気環境中へのアスベスト飛散防止対策について
    https://www.env.go.jp/air/asbestos/litter_ctrl/
  • 国土交通省・経済産業省 石綿(アスベスト)含有建材データベース
    https://asbestos-database.jp/

制度情報確認日:令和8年7月2日